-3両編成の赤色基調の特急型車両。ながでんにはモッテコイ!?
それまでの特急型だった名車2000形の置き換えとして、小田急からの1000系とともに投入されたのが2100系。前歴は空港特急として名を馳せているJR東日本の"N'EX"こと『成田エクスプレス』用だった253系です。先代の2000形と同じ3両編成であることや、空港利用客用に設置されていた大型の荷物置き場に冬場はスキー板を積めることなどから導入に至ったと言われています。
そんなこともあってか、長野電鉄での愛称は『スノーモンキー』となりました。湯田中の奥にある地獄谷温泉の湯に入る猿のイメージからきているようです。
・・・・・
モデル界では、このころ怒涛の商品展開を進めていたTOMIXが、鉄コレで2000形を出すのと同じようなタイミングで製品化しました。色合いもそのままなのもさることながら、前面貫通扉が埋められた程度でほぼ手の加わっていない外観もあって、申し分ない完成品が発売されました。そしてひっそりと完売へと推移していったようです。
さなえファインテックではTOMIXの製品化の前にいままで"N'EX"として
タンスの肥やしとなっていたKATOの3両×2本を長野電鉄仕様に改造しました。
この頃のKATOなりの特徴を利用して工作していますが、
今後わざわざ「KATOから作ろう」って言い出す人はそういないでしょうし
簡単にまとめたいと思います。
まず用意したのはステッカーセット。
スノーモンキーにはN'EXのロゴに替わって地獄谷の猿の写真が大きくラッピングされているので、対応するシールを購入しました。模型工房たぶれっと様の製品で、猿だけではなくて表記類のデカールや、写真付きの貼り付け見本書もセットされていて便利です。確かJMMAの限定品ですが、うちではメーカーさんの通販で手に入れました。
車両は何の変哲もないKATOの253系です。
改造前の写真を探していましたがずっと(たぶん5年近く)前のしかありませんでした。さなえファインテック所蔵の鉄道模型写真では古参の域です。
この子らを今回はカスタマイズしました。
…いきなり完成画像で申し訳ありません。今回はあっさりといきます。
【E1編成】湯田中[クハ2151]-[モハ2101]-[デハ2111]長野
こちらは253系時代の塗装をそのままにしていて、改造に関してもロゴを消す程度で済みます。ロゴはTOMIXのレールクリーナーを浸した爪楊枝と綿棒でこすって落としました。この時期のKATO製品はロゴをインレタで表現することが多かったので落とすのは簡単です。
ちなみに、厳密には赤色の部分がJR時代とは違うらしいのですが、実際に乗車した時には違いはわかりませんでした。こだわりたければMr.カラーのモンザレッドが良いようです。
【E2編成(写真右)】湯田中[クハ2152]-[モハ2102]-[デハ2112]長野
E2編成も2100系としてデビューをした時はE1編成と同様のカラーリングでしたが、いつしか塗色変更がなされオリジナルカラーとなりました。写真ではE1編成との違いがよくわかると思います。
この時期のKATO製品はインレタどころか塗装まで簡単に落ちてしまうので、それを逆手に取ってグレーと黒色の部分を同じくTOMIXのレールクリーナーで落としました。下部の赤線は京成3500形で培った(?)『マッキーと定規』で引きました。失敗してズレてもある程度なら直せるのでお手軽でいい手段かもしれません。
ちなみにE1編成はロゴを落とした位なので、この先はほぼE2編成の話しかしていません。
長野方先頭車です。コチラは元々普通車でした。
長野電鉄に渡った実車の車内は集団見合い式シートが並びますが、KATOの製品ではボックスシートが並びます。JR時代は製造年によりこのあたりが異なっていたようです。
模型工房たぶれっとのステッカーセットは登場時のE1編成のものが収録されており、塗色変更後には対応していないので、方向幕以外は全て他社のものです。号車表示は銀河モデル、禁煙マーク・ロゴ・車番はさなえファインテックでの自作です。
ちなみに写真左側の乗務員室あたりのグレーのスジは塗装を落としすぎて地の色が出てしまったものです。光沢のあるスノーホワイトのボディを失くしてまで全車再塗装をしたくなかったので経年の汚れということでそのままにしています。
中間車です。模型でもモーター車になっています。
長野電鉄では2100系を導入したあたりで呼称変更をしていて、制御電動車を『デハ』、中間電動車を『モハ』と呼ぶようになりました。なのでコチラは『モハ』です。
外観は塗装変更以外手を入れられていないので非常に簡単です。N'EX時代にロゴが入れられていた広いスペースにも特に何も描かれませんでした。
デハと同じようにたぶれっと製の方向幕・銀河モデルの号車表示・自家製の禁煙マークと車番を貼りつけていますが、パンタグラフ側のドアだけは禁煙マークのところが車いすマークになっているので注意です。
湯田中方先頭車です。
クハは元々グリーン車だったところで、長野電鉄に渡った後は先頭部の個室が特別室『Spa猿~ん』にされた以外は普通車と同じように扱われていますが、室内の装備はグリーン車時代のままの転換クロスシートが並びます。
車番などの表記類はデハやモハと変わりません。左側の猿の写真は模型工房たぶれっとのステッカーセットに入っています。唯一方向幕だけがJR時代の製造時期の違いからかLED式になっていて表記方法などが異なります。JR255系の様な感じです。
実車の製造時期によって窓枠の広いタイプと狭いタイプがありますが、長野電鉄にきたのは狭いタイプです。KATOもロッドによって異なるので気を付けましょう。
E2編成のロゴは実際に撮影してきた画像から抜き出しており、禁煙マーク共々水貼りタトゥーシールに印刷した上で貼付しています。インクジェットタトゥーシールといえばELECOMやA-ONEが有名ですが、さなえファインテック的オススメは株式会社Tooが発売しているその名もズバリ『タトゥーシール』という製品です。ELECOMなどの他社品よりもマイナーで手には入れにくいけど目が細かく、ベースも薄いのでデカールと大差ない出来上がりが期待できる製品です。
株式会社Tooといえばマンガなどを描く人には定番となったマーカー『コピック』で有名ですが、この『タトゥーシール』も隠れた名品です。
長野電鉄2100系(スノーモンキー)でした。いかがでしたでしょうか。
"あっさりと"とは言ったものの結局長くなってしまいましたね。すいません。
おわびと言ってはなんですが、あとがきのようなものは書かないことにします。
そのうち気がついたら書かれているかもしれませんけど。