京急電鉄新1000形宮沢模型製品をつくる①研究編


プロローグ

 2013年6月某日。友人とともにとあるお店に立ち寄った僕は、

真っ赤な箱を見つけた。その箱を手に取ると、見覚えのある『1000』の文字。

そして横を見た僕は驚いた。そこには「MIYAZAWA」と記されているのだ。

 それは2002年。

新1000形が姿を現し、僕が小学校2年生でまだプラレールと触れ合っていた頃に

限定品として姿を現したらしい。僕はこの存在を最近知ったものの、

情報の少なさに打ちひしがれていたところであった。

 幸か不幸かお金はそんなに無かったが飛びつくように買ってしまった。

 

というわけで宮沢模型新1000形キットの製作記を紹介します。


その1-☑チェック

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まずは中身からご紹介。この時期のGREENMAXの塗装済キットとほぼ大差無いです。

このキットは、京急1500形ベースの京急新600形タイプキットを基本に、屋根と冷房装置を2100形キットのものに交換されて梱包されています。増結用中間車4両セットもあったようです。

こう考えると京急1500形キットから600形・2100形・新1000形と派生していったのですからすごいですね。ここまで流用するのもなかなか無いでしょう(笑)

2013年現在、派生作はみんなリニューアルされて新規格になりました。1500形は未だに発売当初と変わらずに生産されています。今度は逆流用とかないですかね(笑)

新600形タイプキットの流用とは言いつつもオリジナルパーツは多数新規製作されており、まずボディの窓枠部分が新600形タイプキットに比べてモールドが浅くなっていて、車両のイメージを決める窓ガラスもしっかりスモークグラスになっていました。

また写真にはありませんが専用のインレタも新規製作されており、そのままGREENMAXのキットに流しても良さそうな手の入り具合です。

ワイパーカバーのスリット部分の1000も印刷済みながらインレタにも収録されていて、せっかくなので使ってみようとしたところ、台紙とくっついて剥がれないという事故が発生したので諦めました。


その2-組立工程【素組み編】

とりあえず箱の中身を眺めていただけではなにも浮かんでこないので、素組みしてみることにしました。そして左の写真のように。

遠近法がおかしくなりそうなサイズ感ですが、GMのこの時代のキットが一回り大きいのは仕方がないでしょう。どのキットもこんなものでしたから。

スカートは付属のものではなく新規格のものですが、ここまで600形っぽさが消えるものかと驚きました。


その3-組立工程【床下機器編】

しつこくなりますがこのキットは新600形タイプキットがベースということで、床下機器はGREENMAXの十八番『それっぽい汎用品』シリーズのGTO-VVVFが付属されていました。新1000形を作る上で豊富な種類の床下機器が出ている現在そんなものを使いたいとは思いませんでした。

というわけで余っていたり、新規に購入した床下機器バルクパーツを利用して新1000形の3~5次車を作ることにしました。せっかくだったらみんなと違うのがいいですよね。

まさにそれが「マイてつも!」のテーマですし。


1440(Msc1)

さて、山側Mcから作って行きましょう。

こちらは標準のシーメンスGTO-VVVFの床下機器です。最近の京急車両のために作られました。これはこれでわりかし汎用的に利用されています。

今回はIGBT-VVVFを作りたいのでまず3分割してトラクションコンテナを除きます。

そしてここでポイント。矢印で示した部分はコンプレッサーだったハズですが、形が違うようなので交換します。気にならなければ全く気にならない部分ですね。

床下機器パーツの集まったボックスからそれっぽいものを選定。確かこれGMの初期モノの抵抗器の並んでるやつだったと思います。20mの電車はもちろんのこと、切れ目から折り取ると18mの電車にも利用できる究極の汎用パーツだったと記憶してます。さすがGMです。現代仕様でリニューアル生産されていたり、モールドの弱さはナカナカ(笑)だったりしますがまだまだ活用できるはずです・・・

IGBT-VVVFの本体はトラクションコンテナをそれっぽく見えるように3分割の上、写真中央の部品を取り付けます。

このように切って接着すると成形の関係で横の部分が『コ』の字になってしまいますが、GTO-VVVFに比べて意外とビッシリと隙間なく並んでいるので見えなくなることを期待して何もしてません。

(ホントはケチったっていうのは内緒です)

あら・・・あれ・・・?

コンプレッサーとして付けたパーツと本物のどっちがVVVF機器かわからなくなりましたね。大きすぎました。一応、高さ調整でコンプレッサーはシャーシに接着する板と機器を繋ぐ足を切って詰めてあるのですがそれ以前の問題でした。

あと意外とVVVFの両脇がスカスカでケチった『コ』の字がバレてしまいそうです。

 

代替に使おうと思いついたのは矢印の部分。

このパーツはVVVFのアミアミ部分が使えないかと今回用に購入したものです。GMのどの車両の床下機器かは全くわかりませんが、20m用です。ちなみにアミアミってVVVF機器の冷却水を循環利用するための空冷用ポイントって誰かが言ってました。

そのまま使うとまた高いので足から取り外し、逆向きに取り付けることにしました。

いい感じいい感じ。このサイズの違う床下機器が雑多に並んでる感じを京急らしさが「ある」と考えるか「ない」と考えるかはあなた次第です。

ひとつ問題は解決したので、つぎに矢印で示したこのちょっとだけ開いているスキマにアレを設置します。普通に設置しても良かったのですが、GMの特徴の「どの機器も同じラインに並んでいる」のを避けたかったため後回しにしました。

そうそう、この下が丸まったコレです。フィルタリアクトルって言うらしいですね。

最初は京急新1000形SUS車用(左図A)のを利用しようかと思ったのですが、先程もコンプレッサーで登場した詳細不明の20m機器に付いている方(左図B)が分厚くてスッキリしたものが付いていたのでそちらに計画変更です。

まず、山側・海側両方の機器を切り取って接着し両面にした上でスキマから顔が出るようにシャーシに接着しました。これで独特の奥行きの再現に成功です。しかもGMではエンドウ動力時代以来の床下機器の山海一体化ではないでしょうか(笑)

1つ手前の工程で接着したコンプレッサーが天地逆で付けたせいで下がパックリ開いてしまっています。これは後ほどプラ板で塞ぎました。さすがに目立ちますからね。


つづいて海側です。同様にシーメンスGTO-VVVFからトラクションコンテナを除いた両端の2つを使用します。

ここからは山側製作時に接着したフィルタリアクトルがスキマから見えるように配置しないといけないので注意です。さっそくここで左のパーツが被ることが判明したので、台車寄りに接着できるように板を切り欠きました。右のパーツは気にせず接着できます。

ひとつ上の項目でも説明した通り写真の黄色の幅だけ切り欠きました。

そして次の工程として床下機器を印象づける大切なVVVFの本体の製作に入ります。先程からコンプレッサーなどでお世話になっている謎の20m機器の反対側からアミアミ部分を2つ切り取ります。この工程のためだけに購入したのですが意外とほかの部分でも役に立ってくれて万々歳でございます。

上の写真で赤く囲ったアミアミ部分を最大限切り詰め、2つ繋いで接着してみました。取り付け方が悪すぎるのは、試しながらの製作のせいなので許してください・・・

このVVVFの箱はちょうどアミアミの反対側にある箱と一体のものです。べつに『箱』にしようとは考えていませんが、よく見た時に手前の部分と奥の部分の幅が違うのは気になりましたので、後で改良しました。それは後ほど


1439(Tp)

この編成唯一のサハは床下機器の並び替えがさほど発生しないと考え、メンテをしやすいように動力ユニットを組み込んであります。

4両編成だとSIVの形が違ったり、2機搭載だったり、そのせいで一部機器がとなりのデハに移されていたりするようですが、デハの方で労力を使いすぎたのでまあいいか。ということになりました。というわけで京急向け新規格のTp用床下機器をそのまま付けてあります。

海側も同様にバルクパーツをそのまま取り付けてあります。撮影時にはまだ動力ユニットを組み込んでませんが、のちほど気づきます。

ちなみに動力は黒くて大きいウエイトの乗った旧仕様の物です。音が大きいとか、台車の取り付け位置がオカシイとかありますが、自分は室内に機械的なものは見えなくなるし、機構が単純過ぎて指示に対して素直に走ってくれるのでお気に入りです。


1438(M2)

まずは山側です。パーツが違いすぎるので過程を省略しました。本来Tpに付いていた機器が流れてきているみたいなので、両端の機器はTpのパーツから流してきています。中央のVVVF機器はMsc1と同様、その左側のタンクは余剰床下機器ケースの中から適当に見つけてきました。Tpに入りきらないからって流れてきちゃうという雑多感はいかがでしょうか。他の車両でもあるんですかね?

海側もMsc1と同様にシーメンスのGTO-VVVFから流用しますが、上でも説明した通り4両編成は8両編成ではTpに付いていた機器の一部がこのM2に流れてきているようです。

というわけでまた作っていくわけですが、流用できるパーツが驚くほど少ないです。ちょっともったいないくらいですね。位置にMsc1との相違点はほぼ無いのでとりあえずこの機器を基準に接着することにしました。

海側は大きな違いというと右側の長い箱でしょうか。このパーツは実車の機器とはだいぶ形が違うようですが、それっぽいということで採用されました。新1000形ステンレス車の中間車用のパーツに付いています。

ここでVVVF機器の支持方法を変更しました。アミアミのみを切り出し、適当なプラ板に貼付後それを床下機器パーツ接着用の板に固定して接着することにして、見映えをよくしてみました。


1437(Muc1)

Muc1もMsc1も向きが違うだけで付いている機器は同じなので、ここでは連結した姿をご紹介。こうして見れば別に違いが気にならないのかなと思いますが、新1000形アルミ車同士で連結して遊ぶと「窓の形状が違う」とか「こんなの絶対おかしいよ」とかいう苦情がきそうなのでステンレス車や旧キットの2100形と遊ぶのが適切なようです。あとこうやって見ると雨樋の高さが違うんだなと新発見。


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つぎは外装編です→②外装編 

2016/01/11:

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